庭園長のブログBLOG

太古の豊浦の杜にタイムスリップ!         ~ドライガーデン考~

2021.7.22

「豊浦層群」という言葉をご存知でしょうか。
豊田~菊川~阿内にかけて分布する
前期ジュラ紀から後期ジュラ紀の地層のこと。

日本のジュラ系で、
山口県で最初にアンモナイトが発見されています。
さらに、植物化石も多く産出しています。

杜の庭園 リフレッシュパーク豊浦周辺のむかしむかし…
太古の海、そして汽水域が広がり、
陸地には太古の植物群が繁茂…
さまざまないのちを養っていたと想像すると、
わくわくやどきどきがとまりません。

植物では、裸子植物が繁栄していた頃のこと。
緯度による植物分布の差が明瞭になってきたのは、
四季や気候帯がはっきりしてきたためだそうです。

植物の種類でいうと、
トクサ類、シダ類、ソテツ類、イチョウ類、針葉樹類…
だから、杜の庭園の一番新しいガーデンデザインは、
「ジュラガーデン」にしようと思います。

ここの大地から掘り出された石を組み合わせ、
サンゴ色の砂利を敷き詰め、
トクサ、シダ、ソテツ…
そして、乾燥に強いニューサイランなどを配した
ドライガーデンを近いうちにおひろめします。

私たちは、想像力で過去や未来へ。
世界中を、宇宙中を、旅することができます。
ガーデンデザインは、その想像力の創造化。
そう思うと、とても楽しい仕事です。

また、植生は遷移します。
遷移とは、植物群落を構成する種や個体数が
時間の経過に伴って変化することをいいます。
いわば、荒地から森林が形成されるプロセス。

まずコケ植物や地衣類が侵入して土壌が形成され、
一年生植物が繁茂し、やがて多年生植物の草原が出現。
土壌環境が整うと陽樹が、さらに陰樹が出現。
つまり、私たちが雑草と呼んでいる植物たちは、
森づくりの主人公。

はらっぱを小さな森と考えると素敵。
でも、庭園と雑草は両立しないのかもしれませんね。
「雑草だらけ」というおしかりを真摯に受け止め、
私たちは、雑草をいとおしいと思いながらも、
その旺盛な生命力と対峙しなければなりません。

雑草にも名前がちゃんとあるから、
いっそのこと名札をつけて楽しんじゃえ。
そんなアイデアをスタッフと語りあいながら、
雑草ケアにも取り組んでいます。

でも、夏の青草の香りって、あーいいにおい !
自然の存在にいちばん近かった幼い頃を想い出す…