庭園長のブログBLOG

庭園長のガーデニング・エトセトラ(12)~気候と環境の変化とガーデニング~

2025.7.21

夏。毎日、30℃を超える過酷な日々が続き、
まるで、地球がSOSを発しているかのようです。
リフレでも私たちは、日々の植物管理などを通じて、
異常気象や生態系の変化を肌で感じている状況です。

利便性を求めて、私たちが生きていく活動のなかで、
とくに化石燃料の消費は、大気中のCO2濃度を
上昇させる大きな要因であり、
地球温暖化や気候変動の主な原因のひとつ・・・

それを軽減するくらしをめざすとともに、
植物の、光合成による大きな働きに注目したい。

植物による光合成では、二酸化炭素を吸収し酸素を放出。
とくに樹木は、大気中のCO2の吸収源として重要であり、
二酸化炭素を固定する重要な役割を果たしている。

地球のSOSの大きな要因は・・・
①気候変動(地球温暖化など)
②ゴミ問題
③土壌や水質の汚染
④森林破壊
⑤大気汚染
⑥生物多様性の喪失
など・・・

これらの多くは、人間の活動が原因だ。
私たちのくらしから排出されているCO2は、
炭素放出量換算で、1
人当たり年間約10tにもなる。
これは、呼吸による放出量の100倍以上にあたる。

これを、最適な酸素量にするためには、
どのくらいの緑量が必要なのだろうか。

私たちひとりの生存・活動の結果として発生する
CO2を、すべて植物光合成によって固定するためには、
農耕地であれば約35000㎡以上が必要になるという。

また、❝ウエザーニュース❞によると、一般的に、
一世帯の年間排出量(約3700㎏=炭素量換算2.4
t)
を吸収するには、36~40年生のスギに換算すると、
約420本が必要であるという。
もちろん、樹種や成長段階によって吸収量は変動する。

せめてせめて、草花を植えよう。樹々を植えよう。
地球を耕し、植物をはぐくむガーデナーになろう。
植物を、身近な地球のパートナーとして生きていこう。
地球の未来のために、いえ、地球の明日のために。

※「日本の気候変動2025}(文部科学省・気象庁)
かつては発生頻度が❝100年に1回❞だった極端な高温が、
現在は❝100年に38回❞程度発生していて、このまま
温暖化が進むと2075年以降には❝100年に99回❞になる。
つまり100倍の高頻度になる可能性などが指摘されている。

庭園長 國司 淑子(くにし としこ)