❝ガーデン❞の語源は・・・ヘブライ語で
「囲まれた=gan」+「楽園=eden」
=「gan-eden=garden」
つまり、囲まれた楽園=エデンの園の意だといわれています。
言い換えれば、「エデンの園」に、ガーデンや
ガーデニングやガーデナーの起源をみることができます。
エデンの園は『旧約聖書・創世記』にみられる楽園。
神によってつくられた人類の始祖、アダムとイブは、
エデンの園の住人で、その管理を任されていました。
彼らは、「エデンの園を耕し守る者」だったのです。
そう、人類最初の職業は、ガーデナーだといえます。
エデンの園には、囲いがあり、
4つの川の源となっており、美しい花が咲き乱れ、
食せる果実の実るあらゆる木々が生え、中央には、
生命の木と善悪を知る知恵の木が茂っていました。
それをガーデンデザインに写すと。四分割の庭。
田の字型の庭こそ、庭園の原点のかたち・・・
さて、アダムとイブが食べた禁断の果実は、
一般にはリンゴと解釈されていますが、
他に、イチジク、ブドウ、マルメロ、
ザクロ、キャロブ、ナシなどの説があります。
聖書に登場する植物は多岐にわたり、100種以上。
上記のほか、ユリ、西洋ヒイラギ、四つ葉のクローバー、
バラ、ナツメヤシ、ムギ、アーモンド、ポピー、
ニガヨモギ、トウゴマ、レバノン杉など・・・
ほとんどが現在の生活に密着した植物です。
四分割の庭は、連作を回避し、輪作にも合理的で
ローテーション植栽ができ、
デザイン的にも美しい庭のかたち。
一辺を3の倍数の90cmに設定すれば、
足を踏み入れることなく手入れができて便利。
聖書に学ぶガーデンづくりも一興です。
なにしろガーデニングは人間の本能とも言え、
そのあたりの考察も含めて興味深いものです。
次は、日本の植物がたくさん登場する、
「古事記」や「日本書記」を、ガーデニング的に
ひもといてみましょうか。
読書の秋が訪れれば・・・
庭園長 国司 淑子(くにし としこ)