庭園長のブログBLOG

庭園長のガーデニング・エトセトラ(18)~人生100年時代、林住期こそガーデニングをライフスタイルに~

2025.8.2

人生100年時代・・・。
人生には、年齢に応じたギアチェンジが必要です。
そんなときに参考になるのが、人生を4期にわけて、
余裕をもって、ギアチェンジしていくということ。
さあ、先人たちの人生観に学びつつアクセルをゆるめよう。

●古代中国の五行思想に「人生の四季」というのがあります。
青春(せいしゅん)・・・これからの未来に希望を膨らませ、
生命エネルギーに満ちた時期
朱夏(しゅか)・・・・・体力もあり、経験も積み、心身ともに
充実したバイタリテイあふれる時期
白秋(はくしゅう)・・・人間的な豊かさや深みが増し、
人生の実りを楽しむ収穫期
玄冬(げんとう)・・・・人生の終盤をむかえようとする時期
※別説:冬、芽吹く前の幼少期のことを指すことも。

●それぞれの季節を守護するシンボル(四神)
玄武(黒)・・・・・・・北(冬)を守る霊獣
青龍(青)・・・・・・・東(春)を守る霊獣
朱雀(赤)・・・・・・・南(夏)を守る霊獣
白虎(白)・・・・・・・西(秋)を守る霊獣

●インド・ヒンドウー教の「四住期」
学生期(がくしょうき)・師につきひたすら学び、
知識を習得する
家住期(かじゅうき)・・職業につき、結婚して家族を養う
林住期(りんじゅうき)・社会的な義務から解放されて、
人里離れたところで瞑想し、修行する
遊行期(ゆぎょうき)・・一切の執着を捨てて巡礼し、
永遠の自己との同一化に生きる

「林住期」を、作家の五木寛之さんは「人生の黄金期」と
とらえています。現代社会では、定年退職後の時期に相当。
これからの人生を自由に自分らしく生きることを提唱。

私は、いま「林住期」のまっただなか。
現代を生きる私たちには、
林住することはなかなか難しいけれど、
森や林に学び、自然のメカニズムを暮らしに引き寄せる
ことはできると思っています。それが、❝ガーデニング❞。
生態系に学び、畑を耕し、種を蒔き、苗をはぐくみ、
植物の生長と収穫に喜び、そのサイクルとともに生きる。
❝晴耕雨読❞こそ人生後半の生き方にふさわしいと思えます。
みなさんのライフスタイルはいかがですか。

ちょっと長くなりますが、サムエル・ウルマンの詩
(訳:宇野収・作山宗久)を紹介します。

青春

青春とは人生のある時期ではなく
心の持ち方をいう。
バラの面差し、くれないの唇、しなやかな手足ではなく
たくましい意思、ゆたかな想像力、もえる情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の新鮮さをいう。

青春とは臆病さを退ける勇気
やすきにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うときはじめて老いる。
歳月は皮膚にしわを増すが、情熱を失えば心はしぼむ。
苦悩、恐怖、失望により気力は地にはい精神は芥になる。

60歳であろうと16歳であろうと人の胸には
驚異にひかれる心、おさな児のような未知への探求心
人生への興味の歓喜がある。
君にも我にも見えざる駅逓が心にある。
人から神から美、希望、よろこび、勇気、力の
霊感を受ける限り君は若い。
霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ
悲嘆の氷にとざされるとき
20歳たろうと人は老いる。
頭を高く上げ希望の波をとらえるかぎり
80歳であろうと人は青春の中にいる。

 

庭園長 国司 淑子(くにし としこ)