ガーデニングというと、イギリスを中心とした
ヨーロッパに伝統と先進性があると思われがちですが、
近年、アメリカ文化を反映した、アメリカンガーデン
スタイルにも、若い人を中心に注目が集まっています。
多様な植物選びを特徴とし、機能性と自然美を融合させ、
優雅なグラス類、カラフルな花や葉、季節を彩る果樹など、
地域や気候に配慮した多彩な植物選びが特徴です。
さらに、居心地のよい木製家具との取り合わせも重要。
アメリカンガーデンスタイルとは、
自分らしく暮らすための居心地のよい理想の空間づくり。
高さのある植物で庭のアクセントをつくり、
低い植物で地面をカバーし、風にゆれるグラス類で、
動きを加え、季節感を演出していきます。
DIYも重要で、ガーデンファ二チャーのペイントや、
プランターのデザイン、ウッドパネルでのフェンスづくり
などのほか、一角にパテイオスペースをつくったり、
LEDライトで夜の庭をライテイングするのも素敵。
ガーデンパーテイーやバーベキューやピクニックや
テイ―タイムをマイガーデンで。
ビンテージスタイルの導入もいいですね。
1990年代はイギリスのガーデンをイメージしたデザインが
主流でしたが、徐々にニューヨークの気候風土を考慮した
シンプルでクールなデザインへと変化してきました。
このあたりは日本のガーデニング事情にも共通しています。
ニューヨークも日本も、年々蒸し暑い日が増え、
以前使われていた植物が育ちにくい状況になっています。
オーナメンタルグラスやトロピカルプランツを選択し、
自然石やグラベルを導入することでアメリカンに。
さらに、ネイテイブプランツの復活が顕著です。
環境問題がクローズアップされるにつれ、
オーガニック野菜の自家栽培や、
庭の植物も外来種よりも在来種へと変化しています。
そしていま、カットフラワーガーデンが大ブーム。
フラワーアレンジメントに使う草花の栽培が注目を
集めているのです。❝インスタ映え❞の影響でしょうか。
植物を育てるだけでなく、どう暮らしに取り入れるか・・・
暮らしのなかで、花のあるシーンを演出することが
暮らしをランクアップさせるという考え方です。
よく考えれば、昔から母たちは、室内に飾る花は、
庭先で育てていました。それを現代では、
カットフラワーガーデンとか、カッテイングガーデンと
呼ぶようです。たくさん咲く。つぎつぎ咲く。ながーく咲く。
花もちのよい植物を栽培するなどが、ポイントになります。
長さがそろわなくても、茎が曲がっていても、
それはそれで、飾り方で生きてきますし、
雑草たちと組み合わせても素敵なのです。
花だけでなく、葉や、ツルや、実などにもぜひ注目を。
植物の自由で自然な姿がアレンジを楽しくしてくれます。
いま、アメリカンガーデン&カットフラワーガーデンが熱い!
庭園長 国司 淑子(くにし としこ)