庭園長のブログBLOG

庭園長のガーデニング・エトセトラ(28)~ムーンライトガーデニング~

2025.9.16

月は、約29.5日周期で満ち欠けをくりかえしています。
このサイクルを「月齢」と呼んでいます。
こうした月のリズムを、昔から人々は農作業や祭事や
暮らしに活かしてきました。

私たちガーデナーにも、月齢を取り入れた「農事暦」は
大いに参考になるのではないかと思います。

また、潮の干満のくりかえしには地球の自転が関係し、
潮の干満の高低差には月の引力(重力の強弱)が
関係しています。
新月か満月には、月・太陽・地球が一直線に並び、
高低差が大きい大潮になります。漁業にも関係が・・・

さて月齢は、植物の樹液の流れにも関係があります。
満月には、月の引力で水分は上部へ、
新月には、水分が下部に集中します。
月の引力の強さが、植物の樹液にかかる圧力の
変化に関連しているのです。

さらに、満月には生殖生長を、新月には栄養生長を、
より促進させる期間でもあります。

栄養生長とは、植物が葉や茎などの栄養器官を
増大させる生育段階のこと。
生殖生長とは、花芽を形成して開花させて
種子をつくるなど、次世代の生育段階のこと。

剪定も、二十六夜から新月の間に行うことにより、
樹木の腐敗を防ぎ、剪定痕の修復が早まるとか。
接ぎ木も上弦の月の3日後から満月の3日後の
水分が上部に集中している期間に行うと
活着がよいとされています。

光合成に太陽の光エネルギーが必要なのと同様に
月にも大きな役割があります。
ガーデナーも知っておくべきムーンパワーですね。

9月23日(火)は、秋分の日。
昼夜の長さがほぼ同じになる日です。
「国民の休日に関する法律」では、
❝自然をたたえ、生物をいつくしむ日」
と定められています。知っていましたか。

これから徐々に日が短くなり、
夜が長くなっていきます。
空気も澄み渡り、月が冴え冴えと美しく輝く季節。
本格的な秋の到来です。

夜空の月を見上げてみましょう。

庭園長 国司 淑子(くにし としこ)