植物は、みどりは・・・・
ひとや動物が、活きいき生きていくために、
たくさんの恩恵をもたらしてくれています。
たとえば・・・
●生態系のベース
植物こそが、地球の生態系を支えてくれています。
植物が光合成を行うことで、あらゆる動物が
食物を得ることができるのです。
●環境のベース
枯死した植物や、動物の排泄物や死骸などは、
土の中に生息する微生物などの生きものによって
分解され、土に還っていいきます。
有機物から無機物へ、そしてまた有機物へ・・・
このサイクルこそが、環境のベースです。
●生命のベース
ひとも、地球という生命の一員です。
地球の豊かな自然、生物の多様性などがあるからこそ、
わたしたちは生きていけるのです。
つまり、土・水・空気・光を含む地球環境そのものが、
生命をはぐくむ星=the nurturing planet。
具体的には・・・
●空気の浄化:光合成によって、二酸化炭素を吸収し、
酸素を放出します。
●温暖化の抑制:二酸化炭素を固定することで地球沸騰抑制し、
気候や温度を、調節・安定化します。
●大気汚染物質吸収:窒素酸化物やイオン酸化物等の吸収。
●食料の供給:豆や穀類、野菜や果物などが命をつなぎます。
●薬の原料:植物に含まれる成分によって命や健康を守ります。
●木材や繊維の利用:家屋、家具、衣類、紙などの原料
●ストレス軽減:花みどりを観たり触れたり感じたりすることで、
緊張や疲労などを軽減してくれます。
●セラピー効果:花や葉の美しさや香りによる感動や癒し
●国土の保全:土壌の浸食防止作用や、水分調整作用等があります。
このように、みどりの効用は多彩です。
わたしたちがつくる庭も、立派なグリーンインフラ。
つねに身近な自然の変化に敏感になり、
できるだけ生態系や自然に負担をかけないことも、
ガーデナーのたいせつなライフスタイルだと思うのです。
開高健は、植物を含む自然を頻繁に描写し、
人間と自然のかかわりを深く追求した作家です。
最後に、彼のメッセージを紹介します。
身近な生物が安心して棲めないところには
人間も住みづらい、
ということはいろいろ報告されているが、
それらの動物が身のまわりから失われたときに、
人の心にどんな変化が起こるのか。
形のあるものがないものから生まれるという
自然の脅威に目を凝らして、身のまわりの自然を見つめ、
、ありふれたものが、ありふれて在る尊さを、
小さな野生動物からのメッセージとして胸に刻む。
心の故郷が失われてしまわないうちに・・・
庭園長 国司 淑子(くにし としこ)